vimproc に Windows の DLL ダウンロード機能を入れた

tl;dr

以下を vimrc の最初の方に書く。

let g:vimproc#download_windows_dll = 1

本文

vimproc は外部プロセスを非同期実行するのに必要な Vim のライブラリ。これを利用しているプラグインも結構ある。
これはとても便利なのだけど、動的ライブラリを別途ビルドする必要がある。
LinuxMac OS X なんかの環境では、標準でビルド環境が整備されているのもあり、ここで苦労することはあまりないと思う。しかし、Windows だと標準ではビルド環境がないため、ビルドすること自体が難しい。
kaoriya 版の Vim に同梱されている vimproc には DLL も含まれているので、これを利用している人もいるのではないだろうか。
ただ、最新版が使いたかったり、複数 OS で同じ設定を使いたいという理由でプラグインマネージャで vimproc を管理したい人もいるだろう。私がそうだ。そういった場合、kaoriya 版のプラグインはちょっと使いづらい。
とりあえずビルドだけでもなんとかならないか、と思って以前やったのがこれ。

Add appveyor.yml to build DLL for MS Windows by thinca · Pull Request #217 · Shougo/vimproc.vim · GitHub

これによって、vimproc のバージョンが上がり、タグが打たれると、自動で DLL がビルドされて誰でもダウンロードできるようになった。ダウンロードは以下のページからできる。

https://github.com/Shougo/vimproc.vim/releases

というわけで自分でビルドしなくてもダウンロードして配置するだけ。便利。だったのだけど、正直ダウンロードしてくるのも面倒になった。プラグインマネージャで vimproc をインストールした直後は必ず「DLL がない」とエラーが出る。とてもつらい。
すでにビルド済みバイナリはネット上にあるわけなので、ダウンロードも自動でやってくれるとラクチン。というわけでそういう機能を作った。

Download windows dll automatically by thinca · Pull Request #242 · Shougo/vimproc.vim · GitHub

最初は全自動だったのだけど、デフォルトでダウンロードされるのは困る、という意見もあり、確かにアグレッシブすぎる感じがしたので、設定を足した。以下の設定を vimrc に書いておけば、DLL がない場合は vimproc がロードされるタイミングで自動でダウンロードされる*1。また、DLL が古かった場合は自動で更新してくれる(この場合は Vim の再起動が必要)。

let g:vimproc#download_windows_dll = 1

この設定は vimproc が使用されるより前に書く必要があり、プラグインマネージャが vimproc を使う場合もあるため、できるだけ vimrc の先頭に書いた方が良い。
これでようやく vimproc の DLL との格闘に終止符を打てた気がする。
Vim には job という外部プロセスを非同期実行するための機能が入りつつあり、きちんと入って各プラグインがこちらを利用し始めたら vimproc 自体がオワコンになる可能性も 0 ではないが*2、今は気にしないでおこう…。

*1:ダウンロードも最初は curl 必須だったのだけど、raa0121 さんの提案で powershell でもダウンロードするようにしたので大抵の環境でダウンロード可能になった。raa0121++

*2:vimproc には非同期実行以外にもいくつか機能があるのでそっちの用途で使われる可能性はありそう